馬糞売ります

田舎で、馬糞(horse manure)をこうしてバッグに分け入れて売られている光景に時折遭遇します。お金は、そばに置いてあるお皿か、貯金箱の様なものに落としていけばいいのです。先日見たものは、1バックにつき20ペンスで売っていました。

馬糞なんて無料でその辺にころがっているものなのだし、農家や馬場の所有者も、ありすぎる場合は処分に困る時もあるでしょうから、「無料でいいです。持っていって下さい。」くらいの気前のよさがあってもいいのではないかという気がしますが。まあ、20ペンスくらいなら、バッグに振り分けた手数料くらいの感覚ではあります。

この馬糞の落とし主は、すぐ近くで、もぐもぐ落ち葉の食事をしていたこの方でしょう。きれいなキャラメル色の馬です。

馬が一年に落とすうんこの量は、結構なものがあるようです。この馬も、私がそばを通る間、脇目もふらず一心に食べていましたから。それを花壇や野菜畑の肥料に使わない手は無いわけです。家畜の糞は、「黒い金」(black gold)と称される、土地を豊かにする良質の肥料と成りえます。特に、化学肥料を使わず、オーガニック・ガーデンに励みたい人には、強い味方。

したてほやほやの牛や馬の家畜の糞を、そのまま花壇に撒いたりすると、その強烈パワーで、植物にダメージが出るので、こういう馬糞を入手したら、しばらくの間は、積み上げて完全に腐らせる必要があると言います。くさい臭いが一切無くなり、土っぽい臭いに化し、色は、「限りなく黒に近い茶色」となるまで。その期間は季節と暑さによって異なりますが、6ヶ月はじっと我慢の子。積み上げた量が多いほど、内部が暑くなって、腐敗する速度も速くなるそうです。また、馬場などからの馬糞で、木屑や敷きわらが糞の間に混じってしまっている場合は、黒い金に変身するまで、更に長い時間がかかると。

周辺の畑の小麦の収穫も、今は、ほとんど終わっている様子です。今年は初夏の雨不足の影響で、水分保有量の高い重い土の土地での収穫は、まあまあだったものの、水はけの良い軽い土地での収穫は、芳しくなかったという話です。収穫の済んだ畑に点在する巻きわらの数が、例年より少ない気がしたのも、そのせいでしょうか。

こんなわらも、冬の間の家畜のご飯となり、それが、糞として落とされ、それを肥料に使ったどこか誰かの花壇で、やがて花を咲かせる事になるかも。これも自然のサイクルのひとつですか。

オークの木に、まだ緑色ですが、どんぐり(acorn)が実りはじめていました。ああ、夏が逝く。

コメント

  1. おひさしぶりです^^
    こちらのホームセンターでも、鶏糞や牛糞という肥料は袋に詰められて売っていますが、さすがそのままじゃなく、加工されているようで、さらさらしてます。
    我が家の異常なくらいのびたゴーヤを植えるまえに、深く掘って鶏糞と牛糞の肥料をいれ、それから土をいれ、苗を植えたらよっぽど相性がよかったようで、近所の人もびっくりするくらいに育っています。
    そのままで、売るというのはさすがイギリスですね。
    まあ、日本で売っている肥料もかなり臭いから、もっと大変なんでしょう??

    エコではありますね。昔の日本なら肥溜めという究極のエコ肥料もありましたが・・・・

    返信削除
  2. 以前、かぼちゃを大きく育てる大会で、優勝した人が秘訣を聞かれ、鶏糞だと言っていました、そういえば。
    馬糞などは量多いので、欲しい人にもっていってもらって、DIYで肥料を作ってもらった方が、ラクなのでしょう。馬糞を6ヶ月も庭の奥に積んでおくのもなんだし、私は購入しなかったのですけどね。そのうち気が向いたらやってみます。

    返信削除
  3. こんにちは
    今日はもう秋晴れの感じです。季節の移り変わりははやいですね。
    のどかな牧場に牛や馬。有機肥料が良いわけですが、日本では放射能汚染に家畜だけでなく堆肥や腐葉土にまで神経質になっています。
    天高く、馬肥える秋。おいしいものは安心して食べたいです。

    返信削除
  4. 堆肥や腐葉土も危ないとなっては、厄介な事です。やがて口に入る可能性のあるものは、すべて、どこからきたのか、はっきり素性がわかるような販売をして欲しいですね。

    返信削除

コメントを投稿