血液は偉大なり
白血球の一種に、好中球(neutrophil:ニュートロフィル)と呼ばれるものがあります。この好中球は、外部から入ってきた細菌類やカビ等を殺し、感染を防ぐ役目を果たしています。
うちのだんなの様な、白血病患者が受けるキモセラピー(化学療法)は、悪い血球も、正常な血球も殺してしまうことは、以前の投稿「ああ、白血病」で書きました。よって、キモセラピー後、骨髄内で新しい正常な血液が造り始められるまでの期間、好中球を無くした患者は、ばい菌や感染に弱くなります。体内にばい菌と戦うメカニズムを無くしているこの時期の患者は、neutropenic(ニュートロピニック:日本語訳は「好中球減少性の」)と表現されます。これは、白血病に限らず、やはりキモセラピーを受ける一部のがん患者も経験する状態であるようです。
先々週の水曜日(10月20日)に、だんなは、第2回のキモセラピーが終わり、3回目が始まるまでの療養に一時退院して家に戻ってきました。前回の一時退院は、好中球の数が、平常並みに戻ってからだったのですが、今回は、前回の退院より早く、まだ好中球を持たないニュートロピニックの段階で病院を追い出され、私は、ちょっと嫌な気がしていたのです。嫌な予感はどんぴしゃで、翌日、39.6度の熱を出し、病院へ舞い戻ることとなってしまいました。
第1回キモセラピーの後での、ニュートロピニックの期間は、キモセラピーの薬品投入のために胸に埋め込んだチューブが感染し、発熱して、チューブを抜き取り、解熱剤や抗菌剤などを、血管に直接投入していましたが、今回、再び、今度は腕に埋め込んであったチューブが感染した模様で、再入院後、これを引き抜きましたが、高熱は2,3日続き。また、発熱とは別に、あごの下にできていた小さなおできが、みるみるうちに、風船のように膨れ上がり、首が見えないほど大きくなってしまって。今は、好中球の数が上がり、熱も通常に収まりましたが、おできは腫れたまま、治るのに時間がかかっています。このおでき、触るとこぶのように固い。つくづく思いました・・・血液は偉大なのです。
ニュートロピニックの間は、病院での食事も、一般の食事とは違い、徹底的に煮たり焼いたり調理してあるものが出され、皮を剥いて食べる以外の果物はだめ、生野菜はだめ、当然、寿司、刺身なんてとんでもない。要は、ばい菌類が入る可能性のあるものは一切食べられないのです。何も考えずに、セロリをぼりぼり、トマトをばくばく、回転寿司で腹いっぱい、ちょっと期限が切れた食べ物も、「大丈夫だ。食べちゃえ!」とやれるのも、好中球が悪者と戦ってくれているから。自分の意思の働かない、見えない、気がつかない世界での小さなバトルのおかげで、健康体の人間は、事も無く毎日を送っているのです。
ちなみに、学校の生物の時間のおさらいのようですが、赤血球は何をするでしょうか?答え・・・酸素を運びます。発熱した際、一時、酸素マスクをつけさせられたりもしていました。
また、今回のキモセラピーの途中で、だんなの左目の血管が切れてしまうという事件もあり、左目は真っ赤。こちらは、血を凝固させる働きをする血小板(platelet)の減少から起こったようです。直後に、何度か血小板の輸血を行っていました。この血小板は、オレンジ色をしており、輸血している際に、看護婦さんと、「かぼちゃスープのようだ」という話をしました。血小板も、今は、また自分の体で作り始めており、数は上がっています。医者いわく、「目の血管が切れるのは、よくある事。そのうち赤いのも消える。」
そんなこんなで、好中球と血小板が無かったため、血走った目と、おできで首無しとなり、だんなの現在の形相は、アダムス・ファミリーの一員になれそうな、恐ろしいものがあります。そう言えば、昨日はハロウィーンでした・・・。
去年のハロウィーンでは、お菓子をもらいにやってきた魔女の衣装をつけた小さな女の子が我家のドアを叩きました。だんなは、おどかしてやろうと、写真のお面をつけて、ゾンビ・ポーズを取って、「うううううう~!」とうめき声まであげて、出て行ったため、女の子は火がついたように泣き出してしまい、私がどんなになだめても泣き止まなく、てこずったのです。今年は、お面が無くても、十分怖いのですが、今回のハロウィーンは病院で過ごしたため、近所の子を泣かす事は無く済みました。退院はどうやら、明日か明後日になりそうです。
(と、気分を軽くしようと、ふざけた事を書きながらも、一応はかなり心配している私です。)
うちのだんなの様な、白血病患者が受けるキモセラピー(化学療法)は、悪い血球も、正常な血球も殺してしまうことは、以前の投稿「ああ、白血病」で書きました。よって、キモセラピー後、骨髄内で新しい正常な血液が造り始められるまでの期間、好中球を無くした患者は、ばい菌や感染に弱くなります。体内にばい菌と戦うメカニズムを無くしているこの時期の患者は、neutropenic(ニュートロピニック:日本語訳は「好中球減少性の」)と表現されます。これは、白血病に限らず、やはりキモセラピーを受ける一部のがん患者も経験する状態であるようです。
先々週の水曜日(10月20日)に、だんなは、第2回のキモセラピーが終わり、3回目が始まるまでの療養に一時退院して家に戻ってきました。前回の一時退院は、好中球の数が、平常並みに戻ってからだったのですが、今回は、前回の退院より早く、まだ好中球を持たないニュートロピニックの段階で病院を追い出され、私は、ちょっと嫌な気がしていたのです。嫌な予感はどんぴしゃで、翌日、39.6度の熱を出し、病院へ舞い戻ることとなってしまいました。
第1回キモセラピーの後での、ニュートロピニックの期間は、キモセラピーの薬品投入のために胸に埋め込んだチューブが感染し、発熱して、チューブを抜き取り、解熱剤や抗菌剤などを、血管に直接投入していましたが、今回、再び、今度は腕に埋め込んであったチューブが感染した模様で、再入院後、これを引き抜きましたが、高熱は2,3日続き。また、発熱とは別に、あごの下にできていた小さなおできが、みるみるうちに、風船のように膨れ上がり、首が見えないほど大きくなってしまって。今は、好中球の数が上がり、熱も通常に収まりましたが、おできは腫れたまま、治るのに時間がかかっています。このおでき、触るとこぶのように固い。つくづく思いました・・・血液は偉大なのです。
ニュートロピニックの間は、病院での食事も、一般の食事とは違い、徹底的に煮たり焼いたり調理してあるものが出され、皮を剥いて食べる以外の果物はだめ、生野菜はだめ、当然、寿司、刺身なんてとんでもない。要は、ばい菌類が入る可能性のあるものは一切食べられないのです。何も考えずに、セロリをぼりぼり、トマトをばくばく、回転寿司で腹いっぱい、ちょっと期限が切れた食べ物も、「大丈夫だ。食べちゃえ!」とやれるのも、好中球が悪者と戦ってくれているから。自分の意思の働かない、見えない、気がつかない世界での小さなバトルのおかげで、健康体の人間は、事も無く毎日を送っているのです。
ちなみに、学校の生物の時間のおさらいのようですが、赤血球は何をするでしょうか?答え・・・酸素を運びます。発熱した際、一時、酸素マスクをつけさせられたりもしていました。
また、今回のキモセラピーの途中で、だんなの左目の血管が切れてしまうという事件もあり、左目は真っ赤。こちらは、血を凝固させる働きをする血小板(platelet)の減少から起こったようです。直後に、何度か血小板の輸血を行っていました。この血小板は、オレンジ色をしており、輸血している際に、看護婦さんと、「かぼちゃスープのようだ」という話をしました。血小板も、今は、また自分の体で作り始めており、数は上がっています。医者いわく、「目の血管が切れるのは、よくある事。そのうち赤いのも消える。」
そんなこんなで、好中球と血小板が無かったため、血走った目と、おできで首無しとなり、だんなの現在の形相は、アダムス・ファミリーの一員になれそうな、恐ろしいものがあります。そう言えば、昨日はハロウィーンでした・・・。
去年のハロウィーンでは、お菓子をもらいにやってきた魔女の衣装をつけた小さな女の子が我家のドアを叩きました。だんなは、おどかしてやろうと、写真のお面をつけて、ゾンビ・ポーズを取って、「うううううう~!」とうめき声まであげて、出て行ったため、女の子は火がついたように泣き出してしまい、私がどんなになだめても泣き止まなく、てこずったのです。今年は、お面が無くても、十分怖いのですが、今回のハロウィーンは病院で過ごしたため、近所の子を泣かす事は無く済みました。退院はどうやら、明日か明後日になりそうです。
(と、気分を軽くしようと、ふざけた事を書きながらも、一応はかなり心配している私です。)
「こんなことがあったね」と言える日がきっと来ますよ。なにしろダンナ様にはMiniさんがついているのですから。一昨日友人の家を訪ねたらハロウィンのかぼちゃがありました。近頃ではこの辺でも作られているようです。内側は瓜みたいにやわらかくてかぼちゃとしては美味しくなさそうな感じでした。
返信削除同じ事を、白血病専門の看護婦さんに言われたんですけどね。治療に伴う色々な障害の多さに、わりと驚いています。個人差はあるのでしょうが。キモ後、肺にカビが生え、それを除去する手術をした患者さんなども同じ病棟にいたようです。
返信削除かぼちゃ、今年はランタン作らずちょっと残念でした。あれは確かに食べるものではない感じです。
改めて、こうして健康でいられることに感謝しなきゃいけないなという思いで、読ませていただきました。
返信削除悪い血液だけを殺すというのがすんなりできればいいのにね。
でも、以前の記事にくらべると、どんどん前に進んでいるような気がします。時間との戦いですね。ご自身の体調管理もしっかりなさってくださいね。
白血病の種類自体は、比較的治りやすい部類だったようで、ほっとしていたのですが、とにかくキモセラピーの影響には、びっくりしています。治療がつらい・・・というやつですね。私は、今のところぴんぴんしています。
返信削除こんばんは
返信削除今日は天気よくて、沼への散歩も暖かでした。娘が帰って来たのでうれしいです。沼にはシギがたくさん来ていましたよ。血液は偉大だ。まったくです。でも私、あの赤いのが苦手です。献血なんてとても無理。娘には地元で就職が有利な看護士とかになってほしかったですが、彼女も痛がりで恐がり、私に似て度胸もないし、、、。看護士さんてすごいですよね。
寒くなります。風邪など引きませんように。
看護師さんなども、人によって注射や採血の際の血管への注射器のさし方が上手い人、下手な人、色々いるものだと気づきました。ある看護婦さんは、看護婦同士で、お互いの腕を使って練習しあった、なんて話もしていて。確かに、医療関係で働くには、基本的生物学医学知識の他に、プラスアルファーが必要そうです。
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