マラドーナと神の手


再び、テニスのATPワールドツアー・ファイナルがロンドンのO2アリーナへやって来ました。

先週の日曜日から1週間、男子世界トップ8のプレーヤーを見れるチャンスとあって、去年と同じく、だんなと、だんなのテニス狂の友達S氏と、私の3人で行く予定で、早々と夏にチケットを予約。今回、だんなは病気で行けなくなってしまったので、テニスを見るも、プレーするのも好きな日本女性にチケットを譲り、先週月曜日の午後の試合に、3人で繰り出しました。この日のシングルスの試合は、セルビアのノバク・ジョコビッチと、前回のウィンブルドンの決勝までいったチェコのトマス・バーディチ。

さて、このトーナメント中、毎日の様に、アルゼンチンの元サッカー・スター、ディエゴ・マラドーナが観戦に来ていて、この日も、黒いスーツに身を包み、やはり黒いスーツのお取り巻き達と、半分くらいの年の若い奥さんと一緒に登場し、コート脇、選手陣営のすぐ隣の良い席に陣取っていました。品の無いギャングの親分風。

ストレート・セットで勝利したジョコビッチは、コート上での勝利のインタヴューの際に、「マラドーナも見に来てくれた。」と言及。これに対して、観客の反応は、半分は気の無い拍手、半分はブーイング。S氏も大声で、「ブー!ブー!」。インタビュアーは、この反応を受けて、ジョコビッチに、「イギリス人は,昔の事を良く覚えているからね。」

イギリス人にとって、マラドーナと言えば・・・ああ、因縁の「神の手」。

時遡ること、1986年のメキシコでのサッカー・ワールド・カップ、クオーターファイナルでのイングランド対アルゼンチンの試合。マラドーナが入れたアルゼンチンの1点目は、マラドーナのヘッダー・・・おや、それともこれは、手を使ってのハンド・ボール?(左写真)いずれにしても、このゴールはカウントされ、イングランドは、2対1でアルゼンチンに破れ、アルゼンチンは、決勝で西ドイツを負かし優勝。

後のインタビューでマラドーナいわく、
The goal was scored a little bit by the hand of God, another bit by head of Maradona.
あのゴールは、ちょっと神の手の力を借り、ちょっとマラドーナの頭を使ってきめたんだ。

以来、このゴールは「Hand of God」(神の手)として、メキシコ大会の優勝のチャンスを盗まれたと恨むイギリス人の記憶に焼き付けられる事となり。よって、この国では、マラドーナと言えば「神の手」。「神の手」と言えば、マラドーナ。

Uチューブで見る、マラドーナの神の手ゴール

しばし、心行くまでブーイングした後、S氏は、「ジョコビッチなんて、メキシコ大会の時はまだ生まれてないんだからな。」そうです、ジョコビッチは23歳、生まれたのは、メキシコ大会の翌年!改めて、現役スポーツ選手達の若さをしみじみ感じました。


話をテニスに戻し、今夕の決勝戦は、フェデラー対ナダル。この2人の対戦を見るのは実に久しぶりで、楽しみです。

現ワールド・ナンバー・ワン、24歳のナダル、ハチマキをしている頭のてっぺんが、最近、段々薄くなってきたように思えるのは、私だけでしょうか。まだ、プリンス・ウィリアムほど、禿度は進んでいないものの、そのうちに、やはり若くして禿げてしまったアガシの様に、頭を剃ってイメチェンして登場することになるかも。

O2でのトーナメントは、お上品なウィンブルドンとはうって変わって、音楽はばんばんかかるし、選手が登場する時は、ドライアイスまでたいて、まるでボクシングの試合の様なのりです。そして選手登場の際に必ず使われる音楽は、ザ・クラッシュ(The Clash)の「ロンドン・コーリング」。これは、去年も使われていた気がします。

London Calling to the faraway towns
Now war is declared and battle come down

一騎打ちには似合いの曲ではあるかもしれません。

コメント

  1. こんにちは
    今日はお仕事お休みです。小春日和のいい天気。静かです。マラドーナの神の手は伝説となりました。今年の大会でも監督としてというより、マラドーナ自体に人気があるようで、カメラは彼の様子ばかり伝えていましたね。どこへ行っても人気者?なんですね。
    テニスは40歳のクルム伊達が頑張ってますが、なかなか世界に通用する選手が出て来ません。

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  2. マラドーナの神の手がイギリス外でもそんなに有名とは知りませんでした。スポーツの才能には長けていたものの、他の事はちょっと足りない感じで、人気というより、滑稽。
    伊達公子の40歳は立派です。最近は特に、テニス、男女ともパワーは大切なので比較的小さい、アジア人は、やはり不利という気はします。

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  3. 今年のワールドカップで大事な場面での「ハンド」があった際、「神の手」が話題になっていた気がします。私にとってマラドーナは人気者というより、薬物などでのダーティーなイメージです。有名なスポーツマンでヒーローだったこともあるのだから、もっと格好良く年をとって欲しかったと思います。

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  4. マラドーナは堕ちた英雄ですよね。イギリスのかつてのサッカー・スター、ポール・ガスコインなどと同じ感じ。
    ワーキングクラスのバックグラウンドでも、海外のチームなどで活躍して、洗練された国際人になって、格好良く年取っていく人たちもいるのに。彼は、エゴも巨大すぎたのかもしれません。

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  5. こんばんは
    今日も小春日和の暖かい一日でした。イギリスはすごい雪とのこと。コメントを書きたいのですが、コメントのバーがありません。どうしたら、お便りできますか?

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  6. 書きかけのまま溜まってしまったドラフトが沢山あり、今月は、一挙にどんどん書こうと、コメント機能を不可に設定していたのですが。先ほど、解除しましたが、くれぐれも、全ての投稿にコメントするのが義理だと思わずに、好きなものに、気が向いた時にだけコメント入れていただければ、それで嬉しいですので。

    以前やっていた場所のような、ソーシャル・サイト的なものというより、私個人としては、書く事自体で色々調べ物をし、自分の勉強になっている事もあり、発見もあり、また、天気や事件は、後での記録になるのが便利で、続けてきたブログです。

    頂いたコメントから、また別の投稿に繋がったりもしますが、私の投稿を、第3者が読んだ際に、全ての記事に感想を持ち、言う事を考えるというのは、大変な事もあり、面倒な場合もあるかと思います。コメント0という事があるのもまた当然と思っていますので、本当に、コメント入れは、気が向いたらで良いです。とにかく、義理で入れなければ、と思う必要は全く無いのですので。それだけは。

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