シャード

Shard(シャード)とは、「(尖ったガラスや陶器等の)破片」を意味します。

現在、ロンドンブリッジ駅のすぐ脇に建設中の建物は、ザ・シャード(The Shard)または、シャード・ロンドン・ブリッジという名で呼ばれており、来年、完成の暁には、310メートル、87階建てと、EU内で一番高いビルになる予定。パリのポンピドゥー・センターの設計で知られる、イタリア人建築家、レンゾ・ピアノ氏によるもの。上の写真、ロンドン橋南岸に見えるのが、建設中のシャードです。

こんな不景気が騒がれている時に、こんなもの建てていいのかい、という感じですが、中東のカタールからの投資がかなり入っています。資源のある国は懐深いです。

上の写真は、、BBCサイトから拝借した、コンピューター・グラフィックの完成予定図。名前の通り、先が尖がり、表面はガラスに覆われ、ぴかぴか。空に大きく刺さる、ガラスの破片のイメージになるのです。建設途中の今でさえ、その脇を通るときに、何か落ちてきそうな気がするのに、完成後は、大風の日など、ガラスの破片が上から降ってきそうで、あまりそばに寄りたくない感じです。

以前は、「ロンドンのシティーの建物は、セント・ポール大聖堂より高くなってはいかん」という規制があったようですが、今はそれも無く、ガーキンなども、セント・ポールより背が高いのです。当然、もっとのっぽなシャードは、セント・ポールを見下ろす事となります。上もBBCサイトからの写真ですが、上に乗っかっているクレーンを考慮せずとも、すでに現段階で、高さ同じか超えてます。ちなみに、セント・ポール大聖堂の高さは、英語ウィキペディアによると、111メートル。

シャードの31~33階の高さが、大体ロンドンアイの一番上の高さと同じだというので、観光客用の展望台になる予定だというシャードの68階~72階からの見晴らしは、確かに、かなり良いはず。一度くらいは、上ってみる価値ありでしょうか。

上の図は、ロンドンのサザーク地区の地方紙に載っていたロンドン内の建物の高さ比べ。

私は、ガーキンもわりと好きだし、変わった建物が、ロンドン内に点々とあるのは面白くていいのですが、これがエスカレートして、そこらじゅう、高層ばかりになると、ロンドンのシティーの今の雰囲気が変わるようで、嫌な気もします。以前、観光でニューヨークの金融街を歩いた時に、林のように並ぶ高層ビルのせいか、何だか、歩道が暗く、上から押されるような圧迫感を受け、「これに比べて、ロンドンのシティーはオープンな感じで、ずっといいな」という感想を持ったのを覚えています。

とりあえず、このシャードの建設に伴い、くたびれて薄汚い感じのロンドンブリッジ駅周辺がお色直しで、整理開発される予定のようです。東京などに比べ、ロンドンは、何年経っても、あまり様子が変わらない印象ですが、初めてロンドンに来た頃に比べ、サウスバンクあたりはかなり開発されたものです。このエリアも、現在進行形で、随分変わっていっています。

追記

ジャジャーン。シャード完成後の写真です。前景で豪快にお昼のサンドイッチを食べているお姉さんが、ちょっといいでしょう。

コメント

  1. 昨年、このシャードーの建設現場の横を通ったら、レストランから夜景を見下ろしているイメージのイラストがありました。
    日本の工事現場に比べると、ネットやらの落下防止策が少ないように感じました。
    また今年も行ったときに、どれだけ大きくなっているのか、楽しみが増えました^^
    東京下町も東京スカイツリー(634m)の建設で様変わりしそうです。
    でも、ロンドンブリッジ周辺がカナリーワーフみたいになっちゃうのはいやだな~

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  2. レストランは、新聞によると31~33階あたりに入るようですが、高級レストランになってしまうのでしょうか。どうでしょう。
    土地の価値が高く貴重な都市は、どうしても上へ上へという事になるというのもわかりますが、やはり高層ばかりになると、ちょっと、という気はします。私、カナリーワーフは、わりと好きなんですけどね。

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  3. こんばんは
    「霧のロンドン」とかだと、かすんでしまうんじゃないですか? あまりに高いとてっぺんが見えなくなりますものね。私はエレベーターが苦手なので、どうも高層ビルは好きではありません。あの密閉された空間は息苦しく感じるのです。それに足下が不安になります。どうしましょ?

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  4. 「霧のロンドン」の霧は産業革命時代のスモッグなので、今はグレーの空でも視界は悪くないと思いますよ。
    私も高層ビル内で仕事したいとか、泊まりたいとかはあまり思わないです。特に9.11があってからは。一度くらいは展望台に上ってはみたいですが。

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