ロックダウン

23日の月曜日の夜、いわゆる、コロナウィルスのリスクグループに入るだんなの携帯にイギリスの医療機関NHSからメッセージが入り

「あなたは、コロナウィルスに感染した際に重症となる可能性のある人物として認識されました。以後、最低、12週間、家から出ないで下い。家があなたにとっては、安全な場所です。家にいることがあなたの健康のためにも、ひいては、NHSの負担を避けるためにも、一番です。窓は開けてもいいですが、家からは出ないように。家の中では、他の家族のメンバーからは、3歩離れて過ごしてください。できるだけ頻繁に、20秒間の手洗いを徹底してください。」

とのお達し。このメッセージを受け取ったのは、イギリス人口の2%くらいだという事で、だんなは、高級VIPクラブのメンバーみたいだ、と変な事を自慢していました。冗談じゃない。

この後、すぐ、テレビで、ボリス・ジョンソンが、他の一般国民に対しても、どうしても外で働かなければいけない人以外は、皆、今後、3週間は、家を出ないように、とのアナウンス。家から出ていいのは、必要な食料や薬などの買い物に行く時と、一日一回の戸外での運動をする時のみで、その際も、他人とは、たえず、2メートルは距離を取る事・・・。私の携帯にも、その旨を伝えたメッセージが入ってきました。これによって、食料や、薬などの必需品を売る以外の店は、店を閉じることを余儀なくされました。

需要の急増で、各スーパーマーケットの配送サービスのサイトはパンクし、2,3週間は、配送の開いている日は無いという状態。なので、私が、スーパーへちょこちょこ買い物に行かねばならないのですが、そこで、私が感染して、だんなにうつしたら、どうするのか。

アジアが、新型コロナウィルスの影響で四苦八苦している時に、のほほんとしていたこの国。屋根は晴れている時に直せという感覚は、まるで持ち合わせていないようで、感染が広がり始めてからも、対応が遅い事、遅い事。感染の前に立ちふさがるというより、感染の後を、穴の開いた虫取り網で追いかけているようなものです。

イギリスも、事実上のロックダウンなわけですが、うちのようなリスクグループの人物のいる家庭の、食料確保の方法も、その人たちにまかせっきり。うちは、まだ、私がいるからいいですが、一人暮らしで、通常、健康状態のさえない人は不安でしょうね。また、一体、どういった仕事の人たちが、外出を許されるのか、どういった社会活動ならしてもいいのか、明確にされていないので、当然ながら、日雇いやフリーランスの人たちは、日々の糧を得るために、通勤を続けています。よって、昨日のロンドンの地下鉄などは、ラッシュアワーは、相変わらず、他人と2メートルの間隔を取ることなど、とても出来ない状態。あちこちに、大した用もないのに、アドバイスを無視する人たちもいるわけで、大勢で集まってバーベキューをしているのを、警察が取り押さえた、などというニュースもありました。

そんなこんなで、昨日の夕刻、近くのスーパーに、私一人で買い物へ。道中、ちらほら散歩している人たちはいました。目にまぶしいほどの水仙が咲き乱れている場所を通った時は、気分も癒され。

スーパー内はわりと空いていてほっと一息。もっとも、遅い時間帯に空いているのは、欲しいものを確実に手に入れるには、開店すぐの時間に行かないと、無くなる、というのがあるからでしょうね。あいかわらず、買いだめは続いているようで、空っぽの棚の部分が目立ち、例によって、トイペ、パスタ、米、麺類、缶詰類のほとんどが消えているか、ぽつんぽつん。一部屋いっぱいになるくらいのトイレットペーパーや、非常食の山を抱えている家庭もあるのではないかと勘ぐってしまいます。また、最近は、鶏肉が人気となっているとかで、鶏肉類は一切なかったです。なぜ、鶏肉なのか?他の肉より、健康的、という感じがあるからでしょうか。今までは、どうしょうもないものばかりを食べてきて、太りすぎが多いイギリス国民が、いきなり健康に着目し始めたのか。野菜も、かなり少なくなっていました。こちらも、必要以上の量の野菜を買いまくり、それでいながら、食べきれずに、冷蔵庫の中で腐らせてしまい、また買い直し、という人たちがいるという話。が、まあ、贅沢を言わなければ、なんとか、バランスを取った食事ができるくらいのものを探して、レジを出ました。レジの周りでは、スーパーの人たちが、客が待っている間に、間隔をあけて並べるように、テープで床にマークをはっているところでした。

スーパーでは、水仙の花束も購入しましたよ。心のお薬。

家に戻ったら、即効で手を洗い、持って行った袋などを拭いて、来ていたジャケットも玄関口で脱いで、そこに置いたまま・・・。一応家庭内では、指示通り、だんなとは喋る時もあまり近づかず、寝室も別、食事を取るのも別。もっとも、これは、私が当時はイギリスより危ないと思われていた日本から戻った3週間前から、万が一、コロナを日本から持ってきてしまった場合、だんなに感染させないように、すでに実行していた事なので、もう慣れっこです。でも、どんなに注意しているつもりでも、私が外に出ている限り、感染する可能性が無いわけではないですからね。バスルームも同じだし。

幸い、我が家には庭もあるし、やることも沢山あるし、家にいること自体に、さほどの窮屈感は感じないのですが、この買い物をするのに、スーパーへ行かねばならない状態は、頭痛の種です。お隣さんなども、さほど若くないので、まさか、毎回、買い物を頼むわけにもいかないし。大体、今現在、若い人でなければ、スーパーへは、みんな、あまり行きたくないから、入っても、さっさと買い物をすまし、出ていきたいでしょうしね。

車で1時間ほど離れたところに住むだんなの幼馴染が、昨日、さっそく電話をくれ、「何かあったら、助けるから、連絡くれ。」と言ってくれました。普段は、1年で1回会うか会わないかなのに、こういう時は、さすが、幼馴染だなと思います。

インドも、今朝、ロックダウンをアナウンスし、現段階で、世界人口の3分の1が、なんらかの形で、家に踏みとどまっている状態なのだそうです。平穏だと思っていた人生の中で、こんな唖然とするような事が日常となる日が来ようとは思わなかったですね。この状態が、いつの日か終わった時、私たちは、どういった世の中に住むことになるのやら。とりあえず、今のところは、感染をせずに、サバイバルし、精神的にもバランスを失わないように心掛けるしかないです。

時事番組をラジオで聞いている時、次から次へと、コロナからみの暗ーいニュースが立て続けに流れた後、番組の最後に、ちょっとみんなを笑わせるような軽めの話題として、ヘアスタイルの話となりました。何週間、何か月も、国民が蟄居をした後、外に出て、社交を始めることを許された時、みんな、一体どんな髪型になり果てているのだろう、と。ヘアサロンにも床屋にも行けない状態で、もじゃもじゃ、ぼさぼさ。また、常に白髪を染めてもらっている人なども、いきなり白髪になって現れるのでしょうね。いつも、家に呼んでいた美容師さんに、カットと白髪染めを頼んでいた友人も、ロックダウンでそれができなくなり、これが終わった頃には、白髪の長い髪になっている、と嘆いていたのを思い、くすっとしました。

コメント

  1. こちらは田舎なのでドラッグストアの開店時に行列している人を見たりするくらいで普段とあまり変わりがありません。トイレットペーパーも知る限りは店から消えることはありませんでした。
    マスクは外出時もしないのですが、だんだん少数派になってきた気がします。
    車で出かけると対向車で運転者しかいないのにマスクをしていて??
    または顎にマスクをしている人も多く見かけます。
    オリンピックが中止か延期になると・・・と予測していた通り東京は感染者が増え
    パニック買いが始まっているようです。
    良いタイミングでお戻りになりましたね。
    おたがいにこの前代未聞の危機を乗り切りましょう。

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    1. 北海道は対応が早かったですよ。感染爆発を抑えて、乗り切れるといいですね。私が日本にいる間、イギリスでは、コロナなど人の話題に上がっていなかったそうで、あの間に、医療機関へのマスクや機材の補給、集中治療室の手配、市民への情報を徹底することなどをしておけばよかったのに。

      マスクは、人のいない所や、距離がおける戸外でやるのは、無意味ですよね。特に一度、顎に下げたりしたら、ばい菌がくっついて、逆に悪影響?他人と常時至近距離になる状態の場合や、医療関係や店の人などの、多くの人と接する職業の人のために取っておくべきものだと感じます。それでなくても、品薄なのに。

      長丁場になりそうですね。がんばりましょう。

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