セントラル・ステーション

リオデジャネイロの中央駅・・・人生へのあきらめからか、シニカルでドライなハイミス、ドーラ。元教師の彼女、駅の構内にテーブルを出して、読み書きの出来ない人々のために、手紙を書いてあげる代筆業者として生計をたてていますが、「郵便で出しておく」と約束した手紙でさえ、帰宅後破って捨ててしまうような、モラルなどくそ食らえの、ちょっと荒んだ心の持ち主。髪はぼろぼろ、顔はしわが刻み込まれた、このドーラ役の女優さん(フェルナンダ・モンテネグロ)のかもしだす生活感はとても現実味あります。文盲の人など、まだまだ沢山いるのですね、ちょっと驚きでしたが。貧しければ、学問どころか、小さいうちから日々の糧を稼ぎ出す事が第一ですか、確かに。

そんなドーラの元へ、ある女性が息子(ジョズエ)を連れてやってきて、「一度も父に会った事がない息子が頼むので、飲んだくれで、しばらく会っていない夫に手紙を書く」とドーラに代筆を頼む。数日後に、「前の手紙は、少し口調がきつすぎたので書き直して欲しい」と再びやってくる母と息子。その帰りに、駅の前で、この母親は車にはねられ死亡。ドーラは、母の他に、リオに身寄りの無いジョズエを預かることに。

最初は、ジョズエを、新しいテレビを買うために、人買いに売ってしまう(!)などという行動を取るドーラですが、後悔して、ジョズエを人買いから無理やり取り戻し、共に、ジョズエのの父親を探しに旅に出る。そして、舞台はセントラル・ステーションの雑踏から、広々としたブラジルの田舎へと移っていきます。アフリカのサバンナにも似たような風景の中の珍道中で、二人の間に友情が生まれ、ドーラ自身も、やさしい気持ちを取り戻していく。自分だけを頼りにして無我夢中で生きてきても、他人との暖かい絆は、人間、やはり必要なのです。

2人が、別々の人生へと別れて行くラストシーンは・・・かなり泣かせてくれます。

この映画、英語の字幕つきでしたら、Uチューブで見れます。パート1は、こちらまで。

ニューヨークやロンドンを「人種のるつぼ」などと呼んだりしますが、リオデジャネイロなどのブラジルの大都市は、両親やご先祖様の人種が混ざり合っているという意味で、人種が一番ミックスしているのだ、という話を聞いたことがあります。この映画の出だしで、ドーラに手紙を書いてもらいに入れ代わり立ち代り現れる人々は、確かに、お肌の色や、顔の感じが様々です。

映画に描かれているように、一般の人間が人買いに孤児を連れて行く事実や、文盲の多さ、もさることながら、駅の構内の店で盗みを働いた人間が、問答無用で撃ち殺されるシーンなどを見て、今は国としては勢いは上がってきているブラジルではあるものの、その社会には、やはりカルチャーショックを感じます。

ついでですが、ブラジルの首都はどこでしょう?リオデジャネイロでも、サンパオロでもないのですね。ブラジリア。オーストラリアなども、首都はシドニーか、メルボルンと言いそうですが、答えは、キャンベラ。よく、首都あてクイズなどで、間違えて答えてしまう国のひとつです。

原題:Central do Brasil
監督:Walter salles
製作:1998年
言語:ポルトガル語

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