サマーホリデイの記憶

私の日本での、小学校の夏休みの記憶は海でしょうか・・・。真っ黒になるまで遊ぶ海。マッチ棒のような人間が片手に浮き輪を、片手にすいかを抱え、にまっと笑い、背景には水色のクレヨンで一筆書きの水平線。そんな絵を、宿題の絵日記に幾度も描いた記憶があります。

うちのだんなの子供時代のアルバムをめくってみても、多いのはやはり海辺でのホリデーの写真。イギリス国内では、何度も行ったと言う南西のデボン、コーンウォール、サマセット州でのホリデーの記憶が強いようです。休みが長いヨーロッパの事、やはり一回に2週間ほどは滞在したようです。

イギリス南西部は家族連れのサマー・ホリデーに人気で、知り合いにも一人、車でキャラバン(日本ではトレーラー・ハウスと言うのでしょうか)を引いて、毎夏出かける人がいます。「キャラバン・クラブのメンバーだ」なんて威張ってましたが。

クレディット・クランチと称される現在の経済危機で、今年の夏は、海外旅行はあきらめ、国内旅行をする家族が増えるのではないかという話です。7、8月の南西部は例年にも増し、賑わうかもしれません。
この写真は、レンタカーでフランスとイタリアへ出かけ、滞在したときのものだそう。

車の形がなんとも・・・。スーツケースを車の屋根に据え付けているところなども、何だか出稼ぎ一家の風情ですが。

金具も壊れ、ハンドルもはずれたこれら古ぼけたスーツケース、だんなは捨てられないようで、子供の頃の本を詰め込んで、ロフトにしまってあります。(男性の方が、おセンチで、思い出の品を捨てられない人が多いと聞いたことがあります。一般論としてあたっているかはわかりませんが、我が家に限っては、その通りのよう。いつの日か、リビングに座ってのんびりテレビでも見ている時に、この思い出の品々の重みで、天井がドーンと落ちてくるんじゃないかと心配してます。)

当時、親しい知り合いが、南仏プロヴァンスに住んでいたそうで、彼らを訪ねがてら、家族4人、プラス叔母さんで、3週間近くの長い休暇を取って、ドーバーからフェリーでカレーへ。カレーから南仏まで、のんびりドライブで到着。緑に囲まれた南仏の田舎家は美しく、驚きと冒険の毎日だったようです。

友人宅にしばらく滞在後、フランスの海岸線を更に車で東へ走り、イタリアへ。最終的にはトリノまで行ったと言うので、まさに、遠路はるばるです。
こんな感じのホリデーの家族のスナップ写真、どこの家にもあるのでしょうか。

きらめく夏の幸せの一瞬を、何10年も過ぎた今でも、色あせかけたインクを通して伝えてくれます。

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