国勢調査(センサス)の日

本日は、イギリスでは国勢調査(センサス Census)の日です。

国勢調査のようなものは、場所によっては、大昔にも行われていた形跡があるようで、ジョーゼフとマリア様が、ベツレヘムへ向かったのも、確か、ローマ帝国での国勢調査のためとかいう話でした。その後、マリア様は、厩でキリストを生むこととなります。(これに関しては、過去の記事「ベツレヘムへ」まで。)

イギリスでの国勢調査は、1801年に始まり、その後、戦時中の1941年を除き、絶えず、10年に1回行われてきました。国家統計局(Office for National Statistics)により執り行われます。今回は、スコットランドは、コロナのために1年延期という決断をしたものの、イングランド、ウェールズ、北アイルランドは、コロナでの地域による影響差も把握するため、延期無しで行われました。(まあ、いまだに独立にこだわるスコットランドは、イングランドと足並みをそろえたくないという頭があり、延期は、政治的決断であるのかもしれません。)また、今回は、主にネット上で行う、最初のセンサス。我が家も、ついさっき、オンラインでの記入提出を終えました。いわゆる、全国民の同瞬間のスナップショットを見るため、本日みな、一斉に現状を記入することとなります。もっとも、その日の前に記入も可能ですが、情報は、本日の段階を考慮しての記入となります。

すでに1か月くらい前から、「もうすぐセンサスです」とお知らせのはがきが2枚届いており、やがて封書で、オンラインフォームにアクセスする時の各戸別のコードを書いた手紙が届きました。ついていた情報冊子によると、センサスの提出は国の法で決められているので、やらない者には1000ポンドまでの罰金がかかることがあるとのこと。紙のセンサスが欲しい人は別個に申し込むことになるようです。記憶はおぼろげですが、前回(10年前)は人が回ってきて、書類を渡されたような記憶があります。記憶違いかもしれません、10年ひと昔ですからね。そうして入力された内容は100年の間は、秘密に保管されるとのことで、どこの誰がどんな暮らしをしているというのが、個別にはわからないようになっていると、個人情報が漏れるのを心配する人のために書かれてありました。

国勢調査の目的というのは、地方自治体や慈善団体などが、どの地域に、どんなもの、どういった施設やインフラがどれだけ必要とされるかなどを把握理解するためとあります。コロナ下でもやるとなったのは、なんでも、イギリスでのコロナ被害、重症者や死者は、貧しく、教育が行き届いていない、すたれた地域での方がひどいという話で、そういった地域での住宅事情などを把握して、今後、コロナ後での復興のために、なんらかの役に立つのではという理由の様です。日本以上の落差社会で、しかも地域によっての貧富の違いが、かなり大きいですから。

質問内容は、住んでいる住居は、持ち家か借家か、どんなタイプの家か、何人住んでいるか、家族以外の人が住んでいるか、家の一部(台所等)を他の世帯とシェアしているか、車は何台あるか、セントラルヒーティングはガスか電気か、などから、その住所に住む個人に関しては、各々、年齢、現在または過去の職業の種類、求職中かどうか、学歴、資格、精神的身体的健康状態、人種、国籍、宗教、メインの言語云々と、色々聞かれます。

宗教に関しては、答えたくなければ答えずともいいようになっていますが、だんなは、自分は無宗教と答えておきながら、私にむかって、「神道って書いたらどうだ、そんな返事をする人あまりいないと思うから、ちょっと面白いよ。」というので、じろっとにらんでやりました。国勢調査を何だと思ってるんでしょうね。また、白人としての、自分の人種的アイデンティティーをどう表現するかというのに、イングリッシュとブリティッシュ(その他にもウェールズ人、アイルランド人、スコットランド人などなど)と、分けてあったのですが、だんなは、基本的にイングリッシュでも、ブリティッシュでも、どちらでも良いわけですが、包括的なブリティッシュを選んでいました。イングリッシュという狭いナショナリズムのイメージが嫌な様です。

やはり答えても答えなくてもいい質問として、「あなたの性別は生まれた時と同じですか」というのがありましたね。また、「あなたの伴侶は、あなたと同性ですか」とかも。いかにも、変わりつつある時代を反映するような質問です。

家の周辺でも、ダフォディルが満開です。センサスも無事済んだことだし、これから、散歩へでも繰り出します。

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