モリス・ダンス

8月最後の週末に、とあるクラフト・フェアを覗きに行くと、モリス・ダンス Morris Danceを披露していたので、しばし、見学。鈴をつけ、花飾りの帽子を被った男性が跳んだり跳ねたりというのは、いつ見ても、ユーモラス。
モリス・ダンスは、イギリスのフォーク・ダンスですが、もとは、15世紀に遡り、ムーア人 (Moors、北アフリカのイスラム信者)の影響を受けた踊りだそうで、他のヨーロッパ諸国でも踊られていたという話です。踊りに棒を使用するなどというのは、エジプトあたりの伝統の踊りにもみられるそうで。ですから、定かではないものの、その名の語源は、Moorish ムーア風、から来ているようです。

 イギリス、特にチューダー朝の下では、宮廷の催しでも踊られ、人気となり、エリザベス1世の時代には、すでに南部イングランド一帯に広がって、すっかりイギリスならではのダンスとして定着。春の到来を祝っての、メイ・デイ May Day のイメージが強いダンスですが、その他にも夏の祭り、クリスマス、十二夜など、要は、機会さえあれば、踊られていたようです。

それが、19世紀後半頃には、その伝統もすたれていき・・・。

ある物事が危機に瀕すると、必ず、それを何とかしようという人が出てくるものです。モリス・ダンスの救世主は、セシル・シャープ Cecil Sharp なる人物。

1899年に、オックスフォードシャーで絶滅寸前のモリス・ダンスを見た氏は、この踊りに関心を抱いて、イギリス全土を回り、モリス・ダンスを研究。1911年に、伝統のフォーク・ダンスを守るため、イギリス・フォーク・ダンス協会を設立。イギリス各地でワークショップを開き、伝統ダンスの促進を行ったそうです。今、モリス・ダンスが見れるのも、この人のおかげ?

(当フォーク・ダンス協会は、1932年に、フォーク・ソング協会と合併し、現在は、イギリス・フォーク・ダンス・ソング協会 English Folk Dance and Song Society。当協会のロンドン本部の建物は、彼の名を取り、セシル・シャープ・ハウスと呼ばれてます。)


ステップはわりと簡単そうで、誰でも気楽に習えそうな感じはします。

見学後は、ヤギのミルクのアイスクリーム売り場へ直行。コーヒーとジンジャー味のダブル・アイスクリームを頬張りました。その辺のアイスクリーム・ヴァンで売っているものより、やはりずっと美味しいのです。あとは、クラフト・フェアをひやかして、夏の終りの一日を過ごしました。

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