プラチナ・ジュビリーのパーティーとビーコン

近所のプラチナ・ジュビリー記念ビーコン(かがり火)

 イギリスは、昨日6月2日から始まった、エリザベス女王即位70周年を記念するプラチナ・ジュビリー・ホリデーの真っただ中ですが、バッキンガム宮殿のみならず、各地の地方自治体が、色々な催しを行っており、昨日の午後は、我が家から歩いて1分とかからない小川のわきの緑地でも、ちょっとしたコンサートと野外パーティーが催されていました。

うちのお隣さんは、クラッシックカーを所有していて、なんでもクラッシックカーは特別に緑地内に駐車を許されていたらしく、他の2台のクラッシックカーと並べて駐車し、車の中から、コンサートを眺めていました。もうすでに、3時くらいから、音楽が聞こえていたのですが、私たちは、夕食を終わらせてから、腹ごなしもかねて、のこのこ覗きに行きました。お隣さんによると、もっと早い時間には、ちょっと太りすぎのエルビスのそっくりさんなども出てきていたそうで、見栄えはともかく、なかなか上手かったなどと言っていました。なんだ、前から知ってたら、エルビス見に行ったのに・・・。

屋台などもいくつか立ち、臨時トイレなどもあり。屋台の食べ物は、いい匂いはするものの、典型的イギリスのファーストフードで、不健康そうなものばかり売っていたので、こちらは冷やかしでのぞいただけ。コンサート舞台のそばで踊る人たちなどもおり、みんな、幸せそうでした。コロナ、ウクライナ、インフレ等々、暗いニュースばかりだったところへ、ぱーっと陽光が差した感じで。

私は、今の家に住んでもう20年以上たちますが、ここの緑地で、これほどの催しが開かれたのは、初めての経験です。即位70周年・・・これが女王のジュビリーの最後になるのでは、と思う人が多いせいか、地方自治体も力をいれたのかもしれません。うちのだんななどは、75周までは大丈夫じゃないか、などと言ってますが。でも、即位75周年記念の前に、女王は100歳に達するので、そうなると、100歳のバースデー祝賀の方が先に来ますね。

宮殿前の巨木インストレーションの点灯

夜の9時半ころには、バッキンガム宮殿前に備え付けられた巨大な木のインストレーションの点灯をはじめに、イングランド各地にあるビーコンに火がともされることになっており、うちでも、隣村に常設してあるビーコンまで車で行って見てこようか、などと話していたのですが、なんと、いつの間にやら、うちの町でも、この緑地にビーコンが立てられていて、わざわざ、隣村に出向くことなく、ビーコンが暮れ始めた夜空に燃えるのを見ることができました。いつも、町の中心へ向かうのと反対の場所に立ててあったので、気が付かなかった・・・。(ビーコンについて詳しくは、こちらまで。)

点灯されて、じょじょに火力が強くなっていくと、見物人たちの中から、自然に、

God save our gracious Queen...

と国歌がわきあがり、次第に大合唱。歌い終わると一斉に拍手が巻き起こりました。

ついでに、ここにイギリス国歌の歌詞の1番をすべて書くと、

God save our gracious Queen

Long live our noble Queen

God save the Queen (パラララ!)

Send her victorious

Happy and glorious

Long to reign over us

God save the queen

いつも、おかしいなと思うのが、こういう大合唱の時、サビの部分に入る前の、「パラララ!」というメロディーまで、歌う人が何人か出てくるという事。この時もいましたね、やっぱり。

フライパストの飛行機で描かれた70

さて、時間を巻き戻して、昨日の1時ころには、恒例で、女王一家のバッキンガム宮殿のバルコニーへの登場がありましたが、この最後を彩るのが、ロイヤルエアフォース(イギリス空軍)による、宮殿上空のフライパスト。

以前載せた、女王の2つの誕生日についての記事にも書いたのですが、バッキンガム宮殿にたどり着く前に、こうした飛行機はいつも我が家の上空を通過し、約5分後くらいに、テレビのスクリーンに現れるのです。

家の前を飛ぶレッドアローズ9機

いつもは、裏庭の上空を行き過ぎるのですが、今回は、家の前の方から見える角度でいくつもの飛行機が飛んで行ったので、だんなと前庭に突っ立って、眺めていると、他にも2,3件の近所の人たちが眺めていました。最後に通るのは、いつも、9機でなるレッドアローズ。これが、目の前の空を通った時は、3軒先の、90歳を超す、お達者おじいさんが、拍手していました。彼などは、ほとんどエリザベス女王と、同じ時代を生きてきた人ですから、感慨深かったのかもしれません。彼の家の窓には、おとといから、巨大なイギリスの国旗まで掲げてありましたから。

レッドアローズの実物を目撃した後は、ささっと居間へ戻り、さっき飛んで行った9機が、宮殿の上でばーっと色付きの雲をまくのを眺めました。

芳しくない問題が次々と出てきそうな、今後のイギリスの行方はともかく、この休日の間は、心配事は一時、棚に乗せ、幸せムードは続きそうです。

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