ライトのコールタール石鹸

先日、うちへ遊びに来た日本人の知り合いが、洗面台に置いてあったライトのコールタール石鹸(Wright's Coal Tar Soap)を見て、このコールタール石鹸は、日本の観光ガイドブックに、イギリスからの気のきいたおみやげ品として紹介されている、という話をしていました。

1860年代に製造され始めたライトのコールタール石鹸。当時は、名前のとおりにコールタールを含み、消毒効果があるとされ、皮膚の疾患、湿疹等に利くとされていました。

コールタールは、癌を引き起こす可能性があるとの事から、EU(欧州連合)が、コールタールの、処方箋無しでの使用を禁止したため、現在のライトのコールタール石鹸には、実際のコールタールは含まれず、他の材料が使用されています。それでも、昔ながらのコールタールの香りに仕上げ、着色料で、伝統のオレンジ色も保っています。ですから、パッケージに書かれている言葉も、Traditional Soap with Coal Tar Fragrance(コールタールの香りの伝統の石鹸)。そして、現在のものは、トルコで製造されているのです。

この石鹸を使ったことが無い人は、「コールタールの香りなんて、アスファルトの道じゃあるまいし、何だか臭そうで嫌だね」と思うかもしれませんが、これが、なかなか良い香りなのです。少なくとも、我家では好きで、良く使っています。使ってみても、「やっぱり嫌だ、この臭い」という人がいても驚きませんが。わりと強い香りで、私が、何個か買ってきたものを、ラップからはがして出していると、隣の部屋にいただんなが、くんくん鼻を鳴らして、「コールタール石鹸のラップ開いた?」と聞いてくるくらいです。

今でも、消毒効果はあるようで、パッケージの材料リストにざっと目を通すと、「Melaleuca alternifolia leaf oil」というのが入っています。「Melaleuca alternifolia」 は、俗に言うティーツリー(ティートゥリー)で、コールタールに代わって、このティーツリー・オイルが殺菌効果を放っているのでしょう。

いずれにしても、我家では、このオレンジ色の憎い奴を愛用し続けるつもりでいます。

コメント

  1. 憎いやつでも愛着って沸くものですね( ^∀^)

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    1. 「オレンジ色の憎いやつ・・・」というのは、確か大昔、スポーツ新聞(夕刊フジ?)の広告に使われていたキャッチフレーズで、日本の知り合いに、「古い!」と言われました・・・。いい香りですよ、この石鹸は。

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