カンタベリーさくさく観光

カンタベリー・ウェスト駅から、ウェスト・ゲート・タワーへむかう
カンタベリーは、観光がとてもしやすい町です。比較的小さく、見どころのほとんどが、一部残る城壁と、環状道路に囲まれた、楕円形の町の中心部に位置し、迷わず、サクサク歩いて回れます。城壁の外にあるアトラクションは、前回の記事に触れた通り、カンタベリー大聖堂と並び、ユネスコ世界遺産の一環である聖オーガスティン修道院と聖マーティン教会のふたつくらいで、こちらも簡単に歩いて行けますし。

ロンドンからカンタベリーまでは、キングス・クロス駅から日立の高速電車に乗って約1時間。この電車に乗ると、到着は、カンタベリー西駅。その名の通り、町の西側に位置する駅です。ここから、カンタベリー中心部への入り口であるウェスト・ゲート・タワー(West Gate Towers)までは、5分くらい。このウェスト・ゲート・タワーをくぐってまっすぐ続く道がそのまま町を貫く目抜き通り(ハイストリート)になっています。

ウェスト・ゲート・ガーデンズ
ウェスト・ゲートのすぐ前を流れるのは、スタワー川(River Stour)。エセックス州、サフォーク州の境界コンスタブル・カントリーのただ中を流れる川も同じスタワー川という名称ですが、同じ名の川と言うのは、イギリス内いくつかあります。この川岸が、ちょっとした公園(ウェスト・ゲート・ガーデンズ)となっていて、花壇が綺麗。帰りに、電車の時間を待つ間、ここのベンチでのんびり、なんていうのもいいかもしれません。

ケンブリッジなどと同じく、ここからパント(竿で操作する底の浅いボート)に乗ることもできます。

さてウェスト・ゲート・タワーをくぐり目抜き通りをひたすらまっすぐ歩きます。車が通っていないので、歩きやすいです。車にひかれる心配せずに、中世の名残残す、古めかしい建物をきょろきょろ眺め。

1500年建築のオールド・ウィーバーズ・ハウス
カンタベリーの中でも一番古い館の一つとされ、写真に良く取られるという建物が、こちら。Old Weavers' House(旧機織り館)。建設は1500年で、大陸ヨーロッパから宗教的糾弾を逃れてイングランドへやって来たプロテスタントの機織りたちが、ここで商売を営んだことに由来する名前だという事です。現在はレストラン。この建物の脇を流れる川でもボート下りが楽しめるようです。

観光案内も目抜き通りにありますが、これもなかなか立派な建物。館内は、ちょっとした美術館にもなっています。私は、ここで町の地図だけもらって、すぐ大聖堂へとむかいましたが。

大聖堂敷地内への入り口、クライスト・チャーチ・ゲイト(Christ Church Gate)は、観光案内から、ちょっとだけ先に進み、左へ曲がってすぐ。

大聖堂を無視して、目抜き通りをひたすらまっすぐ行進すると、やがては町の東側の城壁に行きあたりますので、聖オーガスティン修道院、聖マーティン教会へ行きたい人は、そのまま城壁を出て、道路を渡って先へ進むこととなります。城壁を出ず、壁沿いに南へ向かって歩くと、別の公園、デーン・ジョン・ガーデンズ(Dane John Gardens)に出。

この公園内から、城壁の上に登り、景色をながめながら歩くことができます。カンタベリーのもう一つの駅、カンタベリー東駅は、この城壁のむこう側を少し行ったところ。こちらの駅は、ロンドンのヴィクトリア駅から約1時間半。ロンドンの南に宿を取っている人は、キングスクロスから西駅に行くより、こちらの方が便利なのかもしれません。

デーン・ジョン・マウンドと称される、こんもりした小山に登ると、

更に見晴らしはよろしく、大聖堂の塔も望めます。

公園を出てすぐのところに、ノルマン時代の城跡。

私たちは、今回、現地時間約5~6時間で、カンタベリー大聖堂、かわいいティールームで遅いランチ、そしてオーガスティン修道院見学、あとは、ちょっとした散策で時間切れとなりました。もっと時間があったら他にも、

カンタベリー博物館
カンタベリー町の歴史の展示物があるカンタベリー博物館、ローマ時代のモザイクなどの展示があるローマ博物館、またウェスト・ゲート・タワー内にも小さな博物館が入っており、見どころはまだまだあります。ちょっと子供だまし的な内容かとは察しますが、蝋人形などを使って、ジェフリー・チョーサーの「カンタベリー物語」を基に、昔の巡礼の様子を再現するカンタベリー・テイルズなるアトラクションもあります。騙されるのを覚悟で入ってみると、意外とエンジョイできる、というのもあるのかもしれません。試していないので、断言はしませんが。

いずれにせよ、隈なく網羅しようと思ったら、丸一日費やすか、一泊するのがいいのでしょうね。大聖堂観光だけで、わりと時間を必要としますので。私は、また秋にでも、見過ごした聖マーティン教会と、いくつかの博物館を覗きに訪れたいところです。ぷらぷら城壁内を歩いていても、色々変わった建物に巡り合えるのが楽しい町でもあります。

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