チャイブの花

チャイブ(Chive、学名:Allium schoenoprasum)。

チャイブという名は、もとはラテン語のcepa(玉ねぎ)から由来したもの。アリウム属に入るこのハーブの、細く尖った葉っぱは、確かに、ねぎ、ガーリック系の味。大昔は、食用の他にも、抗菌性があるとかで、葉を傷口に貼り付けたりしていたそうです。そういえば、うちの母親は、学友で、風邪をひいて喉を痛めるたびに、首に、長ねぎを巻きつけていている子がいて、臭かった、などと言っていましたっけ。似たようなものですか。

チャイブの葉は、細かくきざんで、サラダ、スープの上に散らしたり、クリーミーな風味の料理や、オムレツ、カッテージチーズなどに混ぜたりして使用されます。ビタミンAとCを含むそうですが、調理加熱すると、風味がなくなるので、できるだけ、摘んだらすぐに、はさみなどで、ちょんちょんと細かく切って、そのまま使うのがベストです。お味噌汁の上に散らしたりするのも、ネギよりほのかな味なので、いけます。

数年前に、チャイブの葉っぱのニオイを、なめくじが嫌がり、チャイブの植えてある周辺には近寄らない、という話を聞いてから、一袋タネを購入し、発芽させ育て始めました。今年の春は、根分けをして、株数を増やし、花壇のあちらこちらに植えてあります。実際のところ、なめくじ効果は、イマイチという気もしますが、もちろん、ちょっとしたねぎ風味が欲しいときには便利です。

チャイブの根分けは、本当は、秋が良いようです。冬が来る前に、葉をぎりぎりまで刈り込んで、根分けをし、植木鉢に移し、暖かめの場所や、グリーンハウス内に置いて、時々水遣りしておくと、翌春の成長が早く始まる・・・という記事を園芸雑誌で読みました。去年までは、秋冬は放ったらかしだったので、今年は、この方法をちょっと試してみようかなと考えています。ちなみに、根分けは、大きくなってしまった株を掘り起こし、両手でばりばりっと分けるのが一番で、ナイフやはさみなどは使わぬほうが良いという事。

なんと言っても、チャイブの魅力は、ガーデン用アリウムの小型版と言った、可愛いピンクのぽんぽん花。今年も、咲き始めました。蜂達にも大好評の花です。

チャイブは、葉だけでなく、この花も食べられるのです。サラダの上に、何個かのせると、ちょっと綺麗ですしね。ただし、チャイブの花、見かけによらず、強烈なねぎ味。ですから、たとえ、目に綺麗でも、狂ったように大量使わず、数個だけ使用し、食べる時も、他のサラダの葉と一緒に口に入れて、風味を混ぜて食べましょう。丸い花の頭は、小花の集合体ですので、これをほぐして、振り掛けるのもいいです。花も、こうして摘み続けると、開花期間が長引くので、チャイブの花サラダは、一石二鳥でもあります。それにしても、こんな味の花でも、蜜は、甘いのでしょうか。不思議。

さて、我が家の食べ物辞典で、チャイブを調べてみると、チャイブの花を使った料理に、アメリカのシェイカー教徒たちのレシピ「ブルー・フラワー・オムレツ」というものがあるのだそうです。チャイブの花をほぐして、オムレツに混ぜたもの。さっそく作ってみることにしました。

ブルー・フラワー・オムレツ

4人分の材料
卵:4個
ミルクか水:スプーン大さじ4杯
塩:ひとつまみ
こしょう:少々
パセリのみじん切り:スプーン大さじ1杯
チャイブの葉のみじん切り:スプーン小さじ1杯
洗って水を切ったチャイブの花12個を、ほぐしたもの

卵をボールで良く混ぜ、花以外の材料も加え、更に混ぜる。
フライパンでバターを熱し、ボールで混ぜたものを加え、焼く。
オムレツの周辺が固まってきたら火を弱める。
裏面が良く焼けてきたら、花を、まだ少し卵がゆるい表面にちらし、フライパン返しで、折りたたむ。

花を加熱しすぎないように最後に入れるのがコツですかね。ブルーというより、グリーン・オムレツといった出来上がりになりました。上のレシピだと、花は内側にたたみこまれる事となりますので、外側にも、花の色が欲しい人は、花も最初から少々、混ぜて焼くのが良いのかもしれません。私は、皿に持った後に、上から小花を振り掛けました。ネギ味が好きな人は、まっ黄色の卵焼きに飽きた時、作ってみましょう。

料理に使いきれないほど咲いたら、切り花にしても可愛いです。

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