片足の無いクロウタドリ

去年の5月、足を痛めたブラックバード(クロウタドリ)が、何とか冬を乗り越えて子育てに成功した話を当ブログにしたためました。私達が「フッティー」と呼んでいる、その同じブラックバードは、今年の冬も、片足びっこをひきひき、我が家の勝手口に餌をもらいに来ていました。

寒さが強まるにつけ、段々、フッティーの悪い足は、枯れ枝の様に、ほぼ、使い物にならなくなってきていましたが、ある日、ついに、足がぽろっと落ちてしまったのか、片足が棒の様になった姿で現れたのです。「こりゃ、今度こそ、この冬でおしまいかな。」と思いながらも、餌やりを続けており、霜の降りる寒い夜などは、なんとなく、大丈夫かなと、心配していましたが・・・またひとつの冬を、片足で乗り切り、まだ生きています。

棒の様になった足の先の部分は、今は、丸みをおびてきて、それなりに安定して立っていられる状態なのです。片足のない海賊の義足さながら。「キャプテン・シルバー」と、名前を変えて呼んでみてもいいかもしれません。白い羽も、かなり増えていますし。

冬の間の食べ物は、大幅に、私達に頼っていた感はありますが、野生の鳥や動物はたくましいものです。ロンドンの町中で、やはり片足のハトが、何事もないように、パンをつついている姿などにも、よく遭遇しますし。

ブラックバードは、日本名のクロウタドリでもわかるよう、フルートを吹くような綺麗なメロディーを奏でます。フッティーも、できるだけ長い間、庭の陽だまりで歌をうたいながら、せいぜい長生きしておくれ。庭のりんごの木の新芽も、新しいシーズンにむけて、吹き出しつつある事ですし。ただ、今年は、子供作るのは・・・さすがに、もう無理かもしれません。

追記(2015年10月)
8月の終わりに、フッティーは、ぱたりと来なくなりました。夏の間、羽が抜け変わる期間に、ブラックバードたちが一時、人目を忍んで、あまり、姿を見せなくなる期間はあるのですが、その後、他の鳥たちが再出現をはじめた後も、一切、見かけなくなりました。死んでしまったのでしょう。ちょっと、さびしいです。

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