アムステルダムのバスツアーと運河クルーズ

今回、母親を連れてアムステルダムを旅して思ったのが、外国の都市観光は、できる限り足腰がしっかりしているうちにやっておく・・・という事。お年寄りでも、足腰がぴんぴん、反射神経もばっちりの人は、活気溢れる都市のウォーキング・ツアーもいいでしょうが、うちの母親は、他は健康なのに、膝だけは、すぐ痛くなるそうで、歩くのが遅いし、長距離は無理。自転車、トラム、自動車、人ごみが、右往左往するアムステルダムの繁華街で、何かにひかれやしないか、石畳につっかかって転びやしないか、運河に「あれ~!」と落っこちやしないか(まあ、これは無いか・・・)と、常にひやひやものでした。トラムに乗ったり降りたりも、その度に、自分の切符の他にも、彼女の切符のスキャンもして、とそれなりに、大変。

1日目に、ライクスミュージアムキューケンホフへ行ったので、2日目は、アムステルダム市内をちょっと足で観光してから帰ろうと思っていたのですが、この最初の考えは、母親の歩き方を見て、とっとと捨てました。10分おきくらいに「ベンチ無いの?」という事になるので。そこで、まず、バスでのシティー・ツアー、それから、運河を回るボートに乗ることに決め。

2時間のバスでのシティー・ツアー。私にとっては、気を使う必要がなく、ラクチンではあったのですが、有名観光地ひしめくアムステルダム中心地に、バスが入っていく事はできないためか、シティー・ツアーと言うより、シティーの周辺ツアーと言った方が良い感じの内容。

ツアー内で、まあ良かったなと思えたのは、郊外の、アムステル川のほとりにあった風車での写真撮影ブレーク(上の写真)。かつては、1万台以上あったというオランダの風車も、現在残るのは、1000のみ。アムステルダムに残る風車の数は、8台だそうで、これは、そのうちのひとつである、Riekermolen(なんて発音するんでしょうね。ライカモーランか?最後のmolenは、風車の事。フランス語の「Moulin ムーラン」と似てますね)。Riekermolenは、1636年に遡る風車で、以前は、別の場所にあったものを、現在のアムステル川のほとりに、1961年に移動させたという事。すぐそばには、アムステル川のほとりで、よくスケッチをしていたというレンブラントの像が立ち。レンブラントのかかえるスケッチブックの上には、誰が置いたか、水仙の花が一輪。

このツアーの、最終目的地は、ダイヤモンド工場見学。これが曲者でした。見学、というより、販売が目的・・・の感じでしたので。ダイヤモンドのカットの仕方などの説明を受けたあと、私達、ツアー御一行様は、小さな部屋に押し込められ、案内(というよりセールス)のおねーさんは、「これから、沢山、ダイヤモンドをお見せするので、安全のため、ドアを15分ロックします」と、ドアに鍵がかけられてしまった!その後、15分間、色んな種類のダイヤモンドを見せられ、案の定、「購入したい方はいますか?」おトイレも行きたいし、ダイヤ買う金も無いし、英語とドイツ語とスペイン語でのやりとりに、すっかりしびれを切らした我が母は、徐々に、ドアへと近づき、「もう15分たったでしょ?かぎ掛けるなんて信じられないわ!早くあけてよ!」と日本語で騒ぎ、檻に閉じ込められた獣さながら、ドアの取っ手を、凶暴にがしがしと動かし始めたのです。母を含め、その他、数人の殺気を感じ始めた、セールスのお姉さんは、「それでは、今、ドアを開けます!」と、プレッシャーに負けて開けてくれました。それでも、実際、購入した人はいたようなので、ダイヤ工場側としては、ツアーに組み込む意義はあるのでしょう。部屋脱出後、本当に、大急ぎでトイレに行く時間しか残っておらず、他に何をするでもなく、外の待ち合わせ場所へ。「ちょっと、このダイヤモンド工場見学は、お粗末だったな。」という私に、母曰く、「でも、日本に帰った時の話題になって、それなりに面白かった。」あれだけ、怒って騒いだ挙句に・・・そう、面白かったのね、ふーん。

さて、この後に、アムステルダム中央駅のすぐ外の乗り場から、運河をめぐる1時間のボートツアー。30分くらい待ったでしょうか。かなりの人でした。待ち時間の半分くらいは、チケット売り場の前で過ごしました。私の前の人の番になった時に、いきなり、窓口のカーテンが下ろされて、「5分で戻ります」のサインが。よくある話で、最終的に、5分で済まずに、待つこと15分。後ろに並んでいた一人旅行のドイツ人のおばさんと、「昼寝でもしてるのかね。」と、ぶつぶつ文句を言いながら待ちました。こういうのも、前もってネットで予約してしまうのが一番なのでしょう。乗ってしまうと楽しかったですけどね。たしかに、自転車、トラム、自動車にひかれる心配をせず、のんびりと、町並みを見るには、最高の手段ではあります。

という事で、再び中央駅前の船着場に戻った時は、そろそろ空港に向かってもいい時間。駅でチケットを購入し、あっと言う間に、スキポール空港へ。母は、結構、時間をかけて、空港の土産物屋を吟味していました。なんだか、皆籠に入れて買いたくなるような、いい物色々売ってます。うさぎのミフィーが日本の旗を振っている絵の描かれた冷蔵庫のマグネットなどまで売られていたのには、さすがに、びっくりしました。だんなへの土産は、試食しておいしかった、やぎのミルクの燻製チーズ。夕食に食べた、空港でのクラブサンドイッチと、絞りたてジュースも、なかなかグーでした。

わりと遅めだった帰りの飛行機出発は、調度日が沈む頃。窓から、綺麗なピンクとオレンジの夕焼けも眺める事ができたのです。

コメント