クリスマス前の小包

クリスマス前の最後の土曜日であった昨日は、「パニック・サタデー」と称されるのだそうです。「まだ、クリスマスプレゼントを全部買っていない、どうしよう。今からオンラインで注文しても配達は間に合わない!」という人たちが、パニくって、買い物のため、町中へ繰り出す事から、こう呼ばれるのだとか。クリスマスのプレゼントはほとんど買わない、スクルージの様な私たちは、この時期の、特に週末の繁華街はできるだけ避けて、身を潜めています。

クリスマスプレゼントというのも、大体の場合、欲しくない物をもらってしまうケースが非常に多いのだそうで。先日、近所のおばあちゃんも、「どうしょうもないプレゼントは、もらっても、クリスマスが終わってから、慈善団体に寄付して終わりだからね。子供たちには、何もくれなくていいからと言ってある。」なんてぼやいていました。特に消耗品で無い物は、趣味と反するものをもらうと、ただのゴミと化す可能性大。かと思うと、「私へのクリスマスプレゼントは、この中から選んで」、なんてリストを送ってくる人もいるのだそうで。その交換に、「あなたは何が欲しいの?」そんなんだったら、自分で好きなもの買うのと同じ。なぜに、わざわざ他人に買わせねばならぬのか???小さな子供のいる家ならともかく、イギリスのクリスマスプレゼント交換というものが、いまだ、疑問に思えて仕方ないのです。その上、多くの人が、クリスマスが終わった後の、クレジットカードの請求書に腰を抜かすのだから。ただ、クリスマスプレゼントに限らず、「この人はこんなもの好きそうだ」、と時間をかけて考えてくれたような贈り物を受け取るのは、うれしいものです。特に、思いもかけない時にもらったりするとね。めったにない事ですけど。

さて、そんな昨日の、パニック・サタデーの朝、私宛に細長い箱の小包が届き、それなりに、何だろうとわくわくして開きました。中にあったのは、今年の第一次世界大戦開始100周年にロンドン塔の堀に展示されていた陶器のポピー。ロンドン塔の堀に展示された、888246個のポピーは、ひとつ25ポンド+送料で、一般に販売され、売り上げは慈善団体に行く事になっています。これが、大人気で完売。私は9月に、このポピー植えを手伝い、ついでに、記念として、ひとつ注文してあったのです。ポピーの配送は、11月に展示が終わった後に始まりましたが、なにせ、数が多いので、インターネットのサイトに注文番号を入れて調べたところ、私のは、おそらく1月以降になるとあり、クリスマス前にやってくるとは期待していなかったのですが。ちょっとしたクリスマスプレゼントをもらった気分になりました。自分で買ったのだけど!

このポピーの配送が始まった直後、ニュースで、小包の扱いやパッキングが悪く、開いたら壊れていた、という苦情が殺到しているという話だったのですが、早期にこういう問題が持ち上がったおかげか、きちんとパックされてあり、破損一切無しで届きました。

「これは、間違いなく、今年、8月5日から11月11日まで、ロンドン塔の堀に飾られていた一品であります。すべてハンドメイドであるため、全く同じものはひとつもありません。」といった内容の証明書までついており。陶器のポピーの他には、雨風にさらされ、錆びた鉄の棒と、花をその棒にささえるためのゴムのストッパーが4つ付いており、「何個も組み立てたなこれ」と、植えに行った日を懐かしく思い起こしていました。さて、これは、組み立てたら、どこに飾ろうかな・・・。

コメント