フォゲット・ミー・ノット

わすれな草(英語名:forget-me-not、ラテン名: Myosotis)は、私の一番好きな「雑草」です。これをだんなに言ったら、「一番好きな雑草」というフレーズが、何故かおかしかったようで、ぐふぐふ笑っていました。そこで私が、「わすれな草は、あんたの次に好きな雑草」と言い直すと、ちろっとこっちを見て「ああ、お前のジョークは、なんていつもおかしいんだ。はははー、はははー。」と嘘笑いをしていました。

「雑草」の定義というのは、「植えた覚えが無いところに勝手に生えてくる上、頑丈でなかなか絶滅させることができない植物」とでもすればいいでしょうか。でも、どの植物を雑草と見るかは、個人差が多少あるわけで、わすれな草もガーデンセンターで売っており、お金を出して買って、わざわざ植える人もいるのです。うちの庭のわすれな草は、買ってきて植えたものでなく、気がつくと、庭のあちこちに生えてきたもの。雑草か否かはともかく、絶滅の危機のうわさがいまだ消えない蜂達に貴重な初春の蜜を与えてくれる上、青、時々ピンクの小花が愛らしい。何株もをまとめて、同じ場所に植えるようにするとインパクトはなかなかです。

(わすれな草の蜜を吸う昆虫の写真は、過去の記事「4月の庭にて」まで。)

名前の由来としての伝説は、英語のウィキペディアによると、
ひとつは、神様が、植物に名前を与えているとき、小さな花が、見過ごされてしまうのを恐れ、「神様、フォゲット・ミー・ノット!(私のことを忘れないでください!)」と叫ぶと、神様が、「それをお前の名にしよう。」とのたまった。

もうひとつは、中世に騎士とご婦人が、川のほとりを散歩中、婦人に花を摘んであげようと、かがみこんだ騎士は、鎧の重みで川に落ちてしまう。そしておぼれながら、「私を忘れないでください。」と、婦人に、摘んだ花を投げた・・・。

最初の伝説のほうが、ほほえましくて好きですね。あの小さな花が、「フォゲット・ミー・ノット!」と叫んでいる様子は想像できるのです。鎧の重みで川に落ちてしまう騎士は、哀れすぎる。

フォゲット・ミー・ノットは、また、米のアラスカの州花です。20世紀初頭に、金の発掘のために移住してきた人物達のため、アラスカの人口は上昇。その移住者達のグループが、わすれな草を自分達のシンボルの花として選んだのが始まりで、1912年に、アラスカが、領土として、限られてはいるものの、自治政府を持つことを許された後には、アラスカ領土の花のシンボルとして選ばれる。1959年にアラスカが合衆国49番目の州となった際には、そのまま州の花として取り入れられます。州のステータスが与えられたのは、わりと近年なんですよね。

フォゲット・ミー・ノットがアラスカの州の花だというのは、確か、中学か高校のときの英語の教科書に、アラスカの旗をデザインした男の子の話が載っていたことから覚えていた事だと思います。孤児院に住んでいた、インディアンの13歳の男の子、ベニー・ベンソンのお話。

まだ、アラスカが州になる前の、1927年、アラスカ領土は、アラスカを代表する旗を、子供達にデザインさせようと、コンペティションを開く。ベニーのデザインした旗は、見事コンペティションで優勝し、アラスカの旗となるのです。旗の背景は青、これは、空と、フォゲット・ミー・ノットの青を象徴したもの。その上に、金の星が8つ。左手の七つは北斗七星( Big Dipper)。北斗七星は、おおぐま座の一部なので、力を象徴。右手にある星ひとつは、合衆国で一番北に位置するアラスカを象徴した星、北極星( North Star)。ベニーは、優勝したご褒美に、この旗のデザインを掘り込んだ金の時計をもらったというのですが、粋なはからいです。また、1000ドルの賞金は、ベニーの教育のために使われたということ。アラスカが州となると、旗はそのまま州の旗となります。

*ベニーの旗の話の詳細は、こちらのサイト(netstateという英語サイト)を参考としました。旗のイメージも当サイトより拝借。

それにしても、やっと春らしくなってきて、そろそろ半そでのTシャツでも着て、ガーデニングにはげもうかな、と思える気候となってきました。じいさんは、山へ薪集めに、ばあさんは、川へ洗濯に・・・ではないですが、我が家では、おじさんは、DIYでほこりまみれ、おばさんは、庭仕事で泥まみれ・・・の数日になりそうです。私にとっては、天敵の雑草、タンポポの花が、芝生一面に咲き始めたので、まずは、これを引っこ抜かないと。まあ、タンポポは食べられるので、食糧危機になったら、こんなのも摘んで集めて食べることができるので、そうなると、また、タンポポも雑草ではなく、貴重な植物と化すんですよね。我が家のわすれな草は、そろそろ盛りを過ぎてきています。チューリップは、かなり遅れて、今、満開。そして、バトンタッチのように、りんごの木に姿を現したつぼみに、ほんのりとピンクの色がともり始めました。

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