昔を感じる観光地写真商売

1997年のランズエンドにて まだ、デジカメなどができる以前の昔々。トラファルガー広場などの観光地には、噴水や、ナショナルギャラリーなどを背景に、ハトに囲まれた観光客の写真をポラロイドカメラで撮り、それをその場で売る・・・などという商売がありましたっけ。いや、トラファルガー広場だけに限らず、わりとあちこち、こういう事をしていた所はあったでしょうね。 イングランド本土(イギリス全土ではなく)の最西端の地である、コーンウォール州ランズエンドへ行った時も、断崖にある、Land's Endと書かれた立て札の前で、ポラロイドを持ったおじさんが陣取っていて、商売をしていたような記憶があります。私は、自分のぼろカメラを使って、他の観光客に撮ってもらいました(上のぼやけた写真)ので、この商売にはお世話にならなかったのですが。立て札には、1997年とあるので、今から26年前の事。こういう商売も、フィルムの現像が面倒であり、データで写真を保存するという事がなかったから、なりたっていたのでしょう・・・しかし・・・ 今回の日本旅行 で、「え、まだ、こんな事をやっているのか!」というような、昔を感じる観光地写真商売を経験しました。 山形県の知り合いの家に泊まった際に、山寺と、蔵王のお釜に遊びに行ったのですが、お釜を見に、山頂へと昇るチェアリフトに乗っていた時の事、前方から、「はーい、笑って、ピース!」などという掛け声がかかった、よく見ると、写真を撮ろうとしている人がいる。まるで催眠術にかかったように、言われるままに笑ってピースサイン。 エメラルドグリーンのお釜をしっかり見ることができて、満足して、またリフトで戻ると、さっきの写真がもうできており、「1000円で、記念にいかがですか?」という。写真を見ると、ちゃんと蔵王お釜眺望とかかれているA5サイズの写真。小さな字でお釜の説明や、その日の日付、天気、気温、風速も入っており、リフトに乗った私も幸せそうに(笑って、ピースして)写っていました。 このオールドファッションな商法と、写真のレイアウトが醸し出す、昭和レトロ感に負けて、財布を開きました。私と、バスの中で仲良くなった一人旅の女性とが、そうして写真を買うと、面白いことに、「いらないわ」と言って去ろうとしていた、私たちより先にリフトを降りた女性二人組が、私たちの購入につられて、「やっぱり...