イースター、春の女神を祝って


今年のイースター(Easter : 復活祭)の休日は、4月2日の金曜日(グッド・フライデー、聖金曜日)から4月5日の月曜日まで。大挙して旅行に出る家庭も多いですが、天気はぐずついた感じです。イースターは、毎年日にちが変わる祝日で、どの日に当たるかの計算は複雑なものであるようです。簡単に言うと、春分の日が終わった、次の満月のすぐ後の日曜日が、キリストがよみがえった事を祝う復活祭の日に当たる・・・という説明を聞いたことがあります。

今朝のラジオで、このイースターという名の由来は、アングロ・サクソン人の、異教の春の女神エオストレ(Eostre)から取ったものだ、と言っていました。再生の季節と女神エオストレを祝った異教の風習を、後にキリスト教において、十字架の上で息絶えたイエス・キリストの復活と合体させて出来上がったものだそうです。クリスマスも、やはり異教の冬の祭典の風習とイエスの生誕を結び合わせて発達したという事なので、異教のものでも、ちょっといいな、というものは取り入れるというのは、わりとよくある話なのでしょう。

従って、イースターのシンボルは、新しく噴出す命の象徴の卵、そして多産を象徴するイースター・バニー(うさぎ)。いわゆる、うさぎ(ラビット)は、イギリスの原生の動物ではなく、ノルマン人の征服後に、彼らによって大陸から導入された動物だそうなので、オリジナルのイースター・バニーは、ラビットではなく、「不思議の国のアリス」に登場する3月うさぎ同様、イギリス原生の野うさぎ(ヘア)です。

さて、イースター、特にグッド・フライデーに良く食べられる食べ物として、クロス・バン(cross bun)があります。これは、ドライフルーツやスパイスなどを入れて焼いた小型丸パンで、上に十字のマークが付いています。

クロス・バンも、もとは、異教の神々にお供えしたパンに起源があるそうで、エオストレにお供えするパンの上に光のシンボルとして十字のマークをつけたためと言われますが、こちらも今では、キリスト教の十字架のイメージです。

最近では、クロス・バンは、イースターだけに関わらず、一年中、おやつに食べられていますが。

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鳥達も、再生の季節に促されてか、雨の晴れ間に、庭で、巣の材料になりそうなものをくちばしで集めながら忙しく飛び回っていました。

コメント

  1. おはようございます
    花冷えの日曜日です。桜の開花も遅れそうです。今年は入学式に間に合うようです。 英会話の先生がどうして日本の学校の始まりは4月なのか。と質問されて、どうも桜と関係していると答えました。満開の桜の下、一年生がランドセルをしょって校門をくぐるのが日本では典型的な春の絵ですから、明治の新政府の気概をそのあたりに感じてしまうのです。 そして、先生はイースターエッグについてもお話ししてくださって、卵さがしのゲームは子供時代の楽しい思いでだと言ってました。春はどの国でも新生の季節ですね。

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  2. イースターエッグ探しは、こちらより、米の方がもっと盛んかもしれませんね。
    新聞のひとつが、イースター期間に子供達が食べるイースターエッグのチョコレートの量が膨大だ、という記事を載せているのを目にしました。記事のリンク下まで。
    http://www.telegraph.co.uk/topics/easter/7544878/Easter-2010-Children-gorge-on-2.5kg-of-chocolate.html
    学校が始まるのは私も、4月がやはりイメージ的にはいい感じがします。そういえば、日本の学生服、セーラー服は英国海軍、学ランはプロシア軍から取ったという事ですが、今では、これも、日本独特の雰囲気です。

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