マガモの訪問

3羽のマガモが、うちの裏庭に舞い降りてきました。雌1羽に雄が2羽。英語では一般的に単にダック(duck)と呼ばれるマガモたち(もっと正式な名称はmallard)は、ちょいと歩いたところに流れる小川や池に、常時沢山おり、非常に見慣れた水鳥ですが、裏庭に飛んでやって来たのはこれがはじめて。空を飛びながら、見下ろして、うちの庭に、なんだか美味そうなものがありそうだと思ったのでしょうか。

英語では、家畜用も野生もダックですが、日本語では、家畜用はアヒル、野生のものはカモのようですね。ビアトリクス・ポターの「あひるのジマイマ」(The Tale of Jemima Puddle-Duck)は家畜用の白アヒルでした。

せっかくお越し頂いたマガモたちに、つぶつぶ種入りのパンや、ひまわりの種、かぼちゃの種などを投げてやると、食べるは、食べるは。特に雌は、呆然と見守る雄2羽を従えて、まるで食べるマシーンのようでした。妊婦さんかもしれません。

しばらく食べると、今度は、水飲み場で水のがぶ飲み。

水を飲み込むときに、首を上に持ち上げる様子がなんとも、かわいらしい。まあ、ぐいっとやって下さい。

そのうちに、おしりふりふり庭の散策。歩きながら時折、くちばしを雨上がりのどろっとなった土の中へ突っ込み、やはり何かを食べている模様。草や、昆虫、みみずなども食べるようです。常時、雄の2羽は、女王陛下におつきの従僕のように、雌が行くところを、とことこついて行く。三角関係か?それとも、1羽の雄の胸の羽の色が、まだ薄いところをみると、夫婦と、前年の子供が一羽まだついて歩いているのか?

雌が、庭の奥で、ちょいと一休みとうとうとはじめると、他の2羽もも座ってうとうと。

上空を、何かの鳥の影がよぎったり、大きな音がしたりすると、3羽はいっせいに、ばっと地面に腹をくっつけてかがみこむのも面白い。duckという英語の言葉が、カモ、アヒルという意味のほかに、動詞で、「(護身のために)かがみ込む」という意味があるのがうなずける行動。危険を感じて、ダックがダックしたわけです。話飛びますが、1981年のロナルド・レーガン大統領暗殺未遂の際に、病院に駆けつけたナンシー婦人にレーガン大統領が発した台詞が、「Honey, I forgot to duck.」(かがんでよけるのを忘れたんだ。)でした。

かなり長時間、食って、飲んで、庭を回って、いねむりしてを繰り返した後、3羽のカモたち、いきなり体を伸ばし、首を上に上げたと思うと、翼をばたつかせ、ガーガーと夕方の空へ飛び立っていきました。ご一行様、またのお越しをお待ちしてま~す。

コメント

  1. 鳥は一夫一婦が多いのかと思ったら、三角関係もありなのですね。でもうまくいっている様子。トキのメスが卵を産んだ後、別なオスに行って巣作りを始めたというニュースがありました。残されたオスがヒナを孵したけれど餌不足などで結局2羽とも死んでしまったそうです。

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    1. そのトキの話、なんだか、人間界のソープオペラみたいですね。ホモのような行動に出るオスのダックもいるのだそうで、自然界も不思議なものです。

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