てんとう虫のサンバ

朝早くから日が暮れるまで鳥の声が聞こえる季節となりました。暖かくなってきた陽射しに誘われて一気に顔を出すのは花や新緑だけでなく、冬眠から覚めた昆虫達も。 庭のあちらこちらで、冬越しをした七星てんとう虫が、日向ぼっこをしているのを目にします。庭中隈なく探せば、30匹は軽くいそうな感じです。上の写真のてんとう虫も、ヒヤシンスの香りに包まれ、ほぼ一日動かずに太陽電池で充電。この寒い冬を何とか生き延びた後ですから、充電も時間がかかるのかもしれません。 子供の頃、手のひらサイズの、ぜんまい仕掛けで床の上を動き回るブリキのてんとう虫のおもちゃを持っていましたが、本物も、サイズこそずっと小さいけれど、まるでおもちゃです。輝く赤い色は、鳥達に「おいらは苦い味がするぞ。まずいぞ。」という信号を送るのだそうで。 上の写真のようなあつあつカップルもいくつか見かけました。 そろそろ卵を産み付ける時期。卵は約1週間で孵化し、少々醜い幼虫は、その後3~6週間、アブラムシをがぶがぶ食べて成長し、やがてこの可愛い姿に変身。てんとう虫人気の秘訣は、見た目の愛らしさだけでなく、こうして、幼虫も成虫も、自然の害虫駆除係りとして活躍してくれることにもあるのでしょう。 ちなみにてんとう虫の英語名は、Ladybird(米ではLadybug)。 てんとう虫は、いわゆる甲虫(ビートル:beetle)の部類に入ります。生物の種類の中で一番数が多いのは昆虫ですが、その中でも、最も種類が多いのがこの甲虫類。わかっている甲虫類だけで、29万種ほどいるという話です。イギリスにいるてんとう虫だけに限っても、良く目にするのは七星ですが、40種いるのだそうです。この甲虫類の数の圧倒的な多さを鑑みて、英の生物学者J.B.S.ホールデン(J.B.S.Haldane:1893-1964)が、生物学を研究した上で、創造神の性質について言える事は、 An Inordinate fondness for beetles. 「甲虫類へのただならぬ愛着心」 だとのたまったそうです。 一昨日のテレビ天気予報の前に、各地でのてんとう虫目撃の数などを報道していましたが、その際、あちこちで、 孔雀蝶 の目撃数が増えてきたので、ついに春は本腰か・・・などと言っていました。私は、孔雀蝶は、この春は、まだ...