スマイルストーンとお茶目な道しるべ

日本の一里塚にあたるものは、イギリスではマイルストーン(milestone)。昔、田舎からロンドンなどの大都市までよっこら歩いていくのに、道端に、「ロンドンまであとxxマイル」と書かれたマイルストーンが置かれてあるのを見て、旅人は、「ああ、もうちょっとだ。」とか、「え、まだそんなにあるの~?」などとなったわけです。マイルストーンという言葉は、また、「記念となるべき事件、画期的な事件」も意味し、

Mo Farah achieved another milestone by winning two more gold medals in the Rio Olympics this summer.
モー・ファラーは、今夏、リオのオリンピックで更なる2つの金メダルを獲得することにより、新たなるマイルストーン(偉業)を達成した。

などという使い方もできます。

ついでながら、1マイルは約1.6キロで、日本の一里は約3.9キロですので、1マイルよりも、一里を達成した方が、偉業度は高い?

今春、田舎のフットパスをぽこぽこハイキングで歩いている時、上の写真のような、スマイル・フェースを描いた石が、道端に置いてあるのを見かけました。誰が置いたんだろう、面白いな、と写真を撮り、そのままになっていました。が、先日、地方ニュースを見ているとき、似たようなスマイル・フェースを描いた石が、テレビの画面に映り、「あ、私が見たやつだ!」。なんでも、これは、マイルストーンならぬ、スマイルストーンと呼ばれ、ある若い女の子が、手ごろな石を集めて、その上に、色々なスマイル・フェースを描き、あちこちに置いて歩いていたのだそうです。単なる遊び心から始めた感じですが、彼女は、正体のわからぬ謎のグラフィティーアーティスト、バンクシーの様に、素性を明かしたくないと、顔を見せずにインタヴューを受けていました。もっとも、彼女、バンクシーと違って、絵心がないから、下手だけど、とちゃんと自分で認めていましたが。

また、別のフットパスで、「PUB」(パブ)と刻まれた道しるべ(waymark)を目撃。これも、ちょっと微笑ませてくれました。この国、ビール好き多いですから、ウォーキングをしては、道中、見かけたパブに飛び込むというのは、よくあること。パブでぐびっと一杯したり、ランチをしたりするのを目的に、パブをマイルストーン代わりにして歩いてる人もいるのではないでしょうか。先週、フットパスの反対側から歩いてきた、リックをしょった数人のウォーカーが、暑さの中疲れた足を引きずってゆでだこの様になっていた私たちを見て、「あとちょっとで、パブあるよ。」

嫌なニュースばかりはびこる今日この頃、道を行く人の気持ちを明るくして、見る者の顔にもスマイルが浮かぶような、スマイルストーンもお茶目道しるべも大歓迎です。

コメント

  1. 石ならいっぱいあるのでマイルストーンかスマイルストーンでも作って置いてみようかな

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    1. 私もやってみたいと思いながら、実行に移していません。ぜひ、作ってください。

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